感動しました。
『十勝岳と青い池』
元々は昭和63年に噴火した十勝岳の火山泥流災害を防止する為に美瑛川に作られた堰堤(えんてい)でした。
その防災工事の生産過程による副産物として、複数の人造池の一つにしか過ぎない存在でもありました。
ところがここで自然が引き起こした奇跡が起きます。
美瑛川に岩肌をつたって流れ落ちていく「白ひげの滝(しろひげのたき)」。
白金温泉上流の十勝岳が源流になっていて、山が吸い込んだ水分が時をかけて地下水となって
崖の途中からアルミニウムがまざった状態で美瑛川に注ぎ込まれます。
そこで硫黄沢川との合流時に目には見えないコロイド状の粒子が生まれ
太陽の力と光の散乱を補う硫黄や石灰成分などが、川底の石や岩を白くして
青い池が美瑛に誕生したようです。
溜まった人造池では、カラマツや白樺などの木々が水没してどんどん枯れていきました。
面影だけは残そうと立ち続ける樹木の枯れた姿を、鏡のように映し出す青い池は
誰にも気づかれることなく時を過ごしてきました。
ところが美しいコバルトブルーの中を必死に枯れ立つ矛盾さが一人の上富良野在住カメラマンの目にとまり
写真集に掲載したことでたちまち口コミで広がっていき、プロ・アマ問わず大勢の写真家が訪れるように。
そして青い池に立つ樹木がとても幻想的に見えることから、自ずと「青い池」として親しまれるようになりました。
2013年までは冬季閉鎖されていた青い池ですが、2014年12月から冬季のライトアップを開始。
真っ白な雪が青い池に降り積もる姿を照らすライトアップは、さらに幻想的な世界へと誘います。
〜北海道ラボから〜
叶うなら、今度は真冬の青い池を訪れてみたいです。